自転車の神様
街中で男女の若者が自転車の調子が悪いようで、立ち止まって困っていた。
どうやらチェーンを落として、自分ではめたようだけど、
リアの変速機の位置が変わって、ペダルを逆回転させてもできなくなっていた。
ただ通常方向に回せば、変速機のある位置にチェーンが動いて、正しくなるのに。
しばらく見てたが、自分ではどうにもできないみたい。
おせっかいだなーと思いながらも、「どうした?」と声を掛けた。
話を聞くと、やっぱり予想していたとおり。
多少チェーンがフレームと挟まって、動きにくくなっていたけど。
ささっと直してあげた。
まあペダルを普通にゆっくり回しただけだけど。
その一瞬の作業に感動したのか、「じゃあ。」と言って去っていく卵の買い物袋をぶら下げた私に、
「自転車の神様や。」と、若者の男の子がつぶやくように言った。
トイレの神様みたいに言うなや!と心の中で突っ込んで、聞こえないフリをして家に帰った。
余計なお世話かなと思ったけど、感謝されたようなので良かった。