ツール・ド・おきなわ

朝4時起き。
まだ真っ暗。
バタバタと準備をして、ホテルを慌てて出て行く。
まだオクサマは夢の中。

スタート場所までは遠いので、
朝早いので申し訳なかったが大学の親友に送ってもらうことに。
ここでも大学時代のメンバーはフルメンバーで登場。
1人で十分なのだが、いつも全力で登場する。。。

そして盛大に見送ってもらう。
ゴール後に会うことを約束して。

天気は良いが、風が強い。
6:00には到着して、7:00にはアップとトイレを終わらせていた。
スタート時間を7:30と勘違いしてた。
どうやら8:30のようだった。
あいかわらず下調べが甘い。。。
おかげでアップも早くしすぎ、体は冷え切ってしまった。
チームのメンバーと話をしながら時間をつぶす。

ここからスタートの位置取りの戦争が始まる。
最初はなにげなく自転車が置かれると、慌ててみんなが一斉に自転車を置き始める。
だいたいこういうのは遅れをとる。
隙を見つけては前の方を取るが、まあ真ん中より少し後ろくらいでしょうか。
ここで前にいないときついんだけどなー。
チームメンバーのtangoさんは僕より更に位置取りが苦手?
だいたい諦めて、後ろの方にいる。
エースのyoshi-tさんは試行錯誤を繰り返し、前の方をなんとか確保できたみたい。

ヘリコプターが上空に現れ、国際のトップが通過する。
見に行こうとしてたら、また先頭の場所取りの位置が変わった。
慌てて自転車を持って移動する300人近く。
うぉぉぉおお。
今回は早めに動くことに成功。
なんか前の方だ。
周りを見ると、yoshi-tさんも同じくらいの前にいる。
tangoさんはやはり僕らよりだいぶ後ろ。。

さあいよいよスタートが近い。
沖縄の人の適当な2分前の合図。
すごい時間が経ってからの1分前の合図。。。

沿道の人も応援してくれている。

スタート。
300人が一斉に動き始める。
で、僕は舞い上がって、クリートがはまりません。
はまらないまま、とりあえずペダルを回して、進む。
しばらくして、ようやくクリートがはまった。
左右からガンガン抜かれていく。
速度は速くないけど、一緒に走っている人との距離が異常に近い。
最初6kmは平坦な道。
ここはずっとこの集団で移動。
そこいらで「ブレーキ」との声が上がる。
「前、前」
「道が狭なんどー」
なんだか楽しい。

一度落車があったようで、前方で大きくブレーキがかかる。
僕も急ブレーキ。
後ろから突っ込まれる。。。
タイヤが右足にぶつかった。
自転車は無事なようだ。
痛かったが、良かった。

道の真ん中あたりを走っていると、どんどん左右から抜かれてしまう。
エースのyoshi-tさんも前に出られなくて、困っている様子。
上り区間に入る頃には集団のかなり後方に来てしまっていた。
接触を恐れて、引いてしまうせいだ。

上り区間、最初は緩やかなせいか、みんなすごい速度で入っていくが、
すぐに速度は落ちてくる。

過去のレースでは先頭集団も1回目の普久川ダムの上りは
そんなに早いペースで上らないという。
一気に先頭が見える位置まで上がりたい。
そんな色気があった。

まだレースは始まったばかりだというのに、ハイペースで上っていく。
かなりの人数は抜いた。
それでも先頭は全然見えなかった。

そして下り区間に突入。
ここから試走をしていない区間に入る。
上りでせっかく抜いたのに、下りでガンガン抜かれてしまう。
異常に遅い。
どうしてもカーブで減速してしまう。。。
なぜ勇気を持って、自転車を傾けれないのだろうか。
抜かれることはあっても、抜くことは1度もない。
弱点はあきらかであった。
下りの力は最低レベル。
この時点で今の自分の力ではおきなわのコースでまともに戦えないことを痛感する。

下りだけで50人近くに抜き返されたのではないだろうか。。。

ようやく長い下りも終わり、辺戸岬に向かう向かい風の強い区間へ。
近くにいた10人くらいが固まって、集団が形成される。
ここから苦手な下りがあっても、距離が短い。
挽回できる範囲で済む。
向かい風が強いので、協力して、辺戸岬に向かって進む。
上り下りを繰り返していると、後ろにどんどん追いつかれ、
辺戸岬に着くころには50人を越える大集団になっていた。
こんな大集団で海沿いを走るのは気持ちいい。
自然と笑顔になってしまう。

大集団になっても、前で引いているメンバーは4,5人。
そのなかになんと僕も入っていた。
なんとも名誉なことだ。

前を見ると、10mくらい離れたところに、4,5人で逃げているグループを発見。
まだ足も元気だったため、単独でそのグループに追いつく。
後ろから力がある人は追いついてきて、15人くらいのグループが形成される。
その後ろには先ほどの大集団。
大集団は前で引いていた人を失ったため、その後どうなったかはわかりません。

15人くらいの集団でも3、4人でのローテーションをして、
大集団を引き離しにかかります。

そうこうしているうちに、2回目の普久川ダムの上り。
それが普久川ダムの上りだと気づかずに、あいかわらずのペースで上っていく。
どおりでこの上り、長いな、と思ってたんだよな。汗
一緒にいた人がパラパラと脱落していく。
前に7,8人がいるが、ついに力が尽きる。
脱落。
ペースが落ちる。

なんとか1人で上りきったが、すでに足はボロボロ。
今にも攣りそうな状態に。
山頂の給水所で水をもらい、頭から浴びた後、攣りそうな太ももに水をかける。
効果はないが、気晴らし。

その後は1人旅。

あとは苦痛でしかなかった。
「こんなはずでは・・」と頭の中で繰り返す。

その後、絶えず上り下りのあるコース。
僕の足はその上りを上る力は残ってなかった。

力を入れれば、足が攣りそうになってしまう。
太ももの前が、太ももの横の付け根が、太ももの裏が、攣りそうになる。
激痛を耐えて走る。
耐えながら走っているので、足をゆっくりとしか動かすことができない。
沿道で応援している人達もあまりの激痛に耐える顔にびっくりしたのではなかろうか。
この状態が40kmは続いた。

まったく動けなくなって、止まっている時に、tangoさんに抜かれた。

しかしリタイヤするわけにはいかなかった。
意地でも完走しなくてはいけないと思っていた。
ダメな状態だから諦めるという行為は頭にはなかった。
おきなわでの挙式に賛成してくれたオクサマに、
集まってくれた親友に対して、なぜだか失礼だと思った。
そんな中途半端では。

ツール・ド・おきなわには足きり時間がある。
一般道路を利用しているためだ。
今まで考えもしていなかった足きりの心配が出てきたのだ。
考えもしていなかったので、関門での足きり時間を知らない。
まわりに人はあまり走っていない。
足きりの不安の中、走る。
もしかしたらすでに足きりは確定なのかもしれない。。。

コースを誘導している人が赤旗を振っているような気がしてならない。

最後の関門、源河を越えた。
後は平坦。
それでも不安は取り除かれない。
最後まで走らせてくれているけど、完走じゃないのかも。と思ってしまう。

1kmがなかなか進まない。

500mがなかなか進まない。

最後に聞き慣れた声が聞こえた。
ダチの声だ。

もう力は振り絞っていた。
それでも、ほんの少しだけ、更に力をこめれた。

1人だけでのラストスパート。

ゴール。

もうフラフラだった。
悔しさでいっぱいだった。
すぐに来年を考え始めていた。
来年は必ず・・・

こんなに楽しいレースは初めてで、またこんなに悔しいレースも初めてでした。
もっともっと練習して、また来年挑戦したいと思います。

最後にウチのエースはやっぱり強い。
メンバー5人全員が無事に完走できたことが本当に良かった。